不安回避が自分に嘘をつく

人間の欲求に大きく分けて2つあります。

1. 望んでいる状態を引き寄せたい欲求
2. 望まざる状態を回避したい欲求

1番は分かりやすいですね。仕事で成果出して褒められたい、好きな人と両想いになりたい、といったことです。2番は、怒られたくない、怪我したくない、といったことが真っ先に思いつきますが、この欲求が強くなりすぎると厄介なことになります。

ここでお姫様に惚れた兵士の逸話を紹介します。告白した兵士に対してお姫様はあるテストを課しました。それは、100日連続、お姫様のいる部屋の窓の下に来て欲しい、というものです。達成したら、100日目に兵士を部屋に迎え入れる約束でした。兵士は窓の下に通い続けました。窓にお姫様がいるわけではないのですが、来る日も来る日も通い続けました。そしてどうなったかというと・・・何と99日目に、兵士自ら通うのをやめてしまいました。あと1日で達成なのにもったいないですね。実はこれは「望まざる状態を回避したい欲求」が強くなりすぎたことによって引き起こされたのです。

兵士は通い続ける日々、本当にお姫様は約束を守ってくれるのか不安になりました。もし100日目にお姫様が窓の所にいなかったらどうしよう?と悩むこともありました。お姫様に惚れている兵士にとって、それは体験したくない、回避したいことでした。この回避欲求が高まっていくうちに、兵士は確実に回避できる方法を思いつきました。それは100日目に自分が窓の下に行かないことでした。確かにそこに行かなければ、もしお姫様がそこにいなかったとしても、そのことを体験しないですみます。

お姫様と両想いになりたいという欲求をつぶしてでも、会えないことを回避する欲求を満たしたわけです。この話をあり得ないって思うかもしれませんが、実は日常的にみんな経験しているのです。

たとえば、好きな人に心にも無いことを言ってしまうなどです。お付き合いしている人が、自分から離れていってしまうのでは?あるいは第三者の存在など外的要因で恋愛が続けられなくなるのでは?といった不安があって、それを回避したいという欲求が一人歩きすると、突然「恋愛関係を解消しましょう」なんて言ってしまう、といったことです。

根底には、その人が好きで幸せな恋愛関係を続けたいという欲求があるにも関わらず、回避欲求の方が一人歩きして、自分の心の真の声に対して、頭がウソついているわけです。

「望まざる状態を回避したい欲求」は身を守る為に大切なことですが、度が過ぎたり一人歩きしたりすると、自分自身にウソをつく恐れもあるということを覚えておきたいですね。ウソをつくと、本当に望んでいることに違ったことするわけですから、どうなるかは言うまでもないですね。