本当に成長して欲しいと願うならば

錬金術とは古代ギリシャから中世ヨーロッパにかけて行われた鉛等の安価な素材から金などを作り出す方法を研究する学問です。これが化学的な発見に大きく寄与したことは言うまでもありません。

転じて現状とは違った状態を創り出すことを比喩的に錬金術を言うようになりました。例えば心理学でいうピグマリオン効果も、人を成長させる錬金術として使うことが出来ます。ピグマリオン効果とは、人間は周囲の期待している通りになるというものです。

例となりそうな昔話を致します。とある男性が女郎部屋に行きました。そこで最も不人気で誰にも見向きもされない女性を指名しました。彼は毎日通い、同じ女性を指名し続けました。その際必ず「君は綺麗だよ」という言葉をかけました。

数ヵ月後その女性はナンバーワンになっていました。本当に男性がかけた言葉通りになったのです。これは心理学ではピグマリオン効果として知られている現象ですね。

この女性は「かけてくれた言葉」が不人気→ナンバーワンという錬金術をもたらせたのです。たかが言葉と軽く見ることは出来ません。言葉にはエネルギーがあり、それは人を変容させるには十分なのです。コーチング等を勉強された方ならば聞き覚えがあるかと思います。

その一方で、マイナスの錬金術はあちこちで多く行われています。例えば部下や同僚の長所には目をつぶって欠点ばかり指摘するような人、居ますね。彼は叱咤と称して、欠点を言われた悔しさをバネに頑張って欲しいと思っているのでしょう。でもこのやり方は相手に「お前は能力が無い」といい続けているのと同じです。

言われた方にしてみれば出来ていることもあるのです。しかしそれは無視されて出来ていない事ばかり言われたらどうなるでしょうか?半年後その人は「変容させたとおりに」能力の無い人間になっていることでしょう。

叱咤した側にしてみれば「そんなことはない!彼に成長してもらいたくて課題を指摘したんだ!。それなのに彼は成長どころかダメになったんだ!」と言いたくなることでしょう。しかし変容とは思ったとおりではなく、言ったとおりになるのです。他人に成長してもらいたければ、成長という変容が発生するような言葉を選ぶべきだったのです。